記憶 ―惑星の黙示録―
夢の中で…
私は必死に我慢していた。
ただ、
ひたすらに「我慢」を繰り返す夢だった。
昔付き合っていた男は、
少し…性格が、アランに似ていた。
まだ出会って間もないから、表面上の彼しか知らないけれど…。
それでも、
あの軽い性格に私が苛立つのは、
…そうゆう事だと思う。
だから、
こんな夢を見たんだ。
思い出したくなかったのに。
ふざけた軽い奴。
お調子者。
いつも自由で、自分の都合ばかり…
ワガママ。
それでも。
それに振り回されるのも、
その時は、
嫌いじゃなかった。
偽善者な彼は、
『別れよう』
とは言わなかった。
自分が「悪者」になるのを、
避けていたんだと思う。
代わりに、
『お前は強いから、俺なんかいなくても大丈夫だよ。』
そう言っていた。
これは、もう何回目?
私は…
毎回黙ってしまうだけ。
「そんな事ない」
「嫌」
を言えば、居てくれるの?
でも、私は言えなかった。