記憶 ―惑星の黙示録―
唯一、
救いだったのは…。
「本当の私」を知りながら、
「強がる私」に気付きながら、
変わらず接してくれていた昔からの親友たちの存在だった。
愛里と、絵美。
ある日の休日に、
興味本位で行った「手相」。
いつからか分からないけど、
私の左右の「手の模様」は、極端に違っていた。
『右の手相は、先天的なもの』
元々生まれ持った性格。
凄く悩むし、繊細。
何よりも「寂しがり屋」。
『左の手相は、後天的なもの』
自分で何でも解決する自発性の高い人。
ウジウジ悩まずにズバッと物事を決めれるリーダータイプ。
生きていく上で、そう成らざるを得なかったのか、そう生きていく方が楽だったのか。
後から作られた、性格。
そう説明した後、
オジサンはこう言った。
『でも本当の貴女は、左手なんだよ?寂しがり屋さんだもんね?』
正直、
…泣きそうだった。
なんで…?
私、何も言ってないのに。
…隠してたのに。