記憶 ―惑星の黙示録―

もっと意外だったのが、
二人の反応だった。


「そうだよね~…、根本的な性格は変わらないんだけど、ある時から急にね~?」

愛里は穏やかに笑いながら、そう絵美に同意を求めた。


「…そう!だから『アイツ』のせいなんだって!」

絵美はそう拳を握る。


二人は…、
私自身が私の口から直接言わなくても、

知っていた。
気付いていた。

そう分かってくれていた。


この二人が居てくれれば、
分かってくれれば、
それで良いと思った。


愛里は、
私を癒す天才だ。

絵美は、
私に元気をくれる天才だ。

「強い私」が弱音を漏らせる、
唯一の友達だった。

大事な…、
大切な存在なんだよ。



なのに…

私は…

< 60 / 262 >

この作品をシェア

pagetop