記憶 ―惑星の黙示録―
『…じゃあ、これが「洗礼」じゃないの?』
私の質問に、アランは笑った。
それから、
違う違う…と首を振った後。
アランは、
『これは「歓迎」さ~!』
そう言って。
顔が近付いたと思ったら、
私の頬に…
唇が触れた。
『――なッ!?』
一番「危険な人物」が、隣にいたってわけ。
――…ばちん。
私は立ち上がって、
アランの頬に平手打ち。
不幸にも…
急に動いたもんだから、
クラッときて…、
――…今に至る。
「…それは自業自得だから謝らないから。」
私はベッドから半身を起こした状態のまま、にっこりと笑って首を傾げた。
あの後どうしたのかしら。
何もしなかったでしょうね!?
アランに笑顔を向けたまま、そう訴えかけると苦笑いが返ってくる。
「ここは酒場の2階、ハルカの泊まってる部屋だよ。だから、ご安心を。それに…」
アランは何か言いかけて、
私のベッドに視線を移した。
「…何…?」
「それに、奈央には『ナイト』が付いてるからね…」
「ナイト…?」
わけも分からずアランの視線を追いかけると…
ごそごそ…
ごそごそごそ…
私の腰まで掛かる布団の中で、
何かが動き出したのだ。