記憶 ―惑星の黙示録―
「…キースの爪の垢でも煎じて飲んだらいいのに…」
『…だなッ。』
ぼそっとそう呟くハルカちゃんたちに、アランは足を止めずに答える。
「はいはい、本当ね~。あの頑固者には頭が上がりませんよ~。」
そんな言葉に首を傾げる私に、ハルカちゃんは「行こう?」と私の手を取りながら話した。
「あたしの探してるキースとね、アランお兄ちゃんは『友達』なんだって。それで仲良くなったの。」
「…?キースって人も、この世界にいるって事よね?」
なんだか、よく分からなくて。
私は眉間にしわを寄せていた。
ハルカちゃんは妖精が棲む『異世界』から来たわけでしょ?
そっちの世界で、キースって人と知り合って…?
で?
…ダメだ、思考繋がんない。
「ん~…、その辺をアランお兄ちゃんは知ってるはずなんだけど、はっきり教えてくれなくて。それで、お兄ちゃんと渋々行動してるわけ。」
「…渋々…、なるほどね?」
私も同じか。
いきなり気が付いたらこんな場所にいて、他に頼れる人もなし…
「ハルカちゃんとは、良い友達になれそう…」
「でしょう?」
そう言って、
クスクスと笑い合った。