記憶 ―惑星の黙示録―
私はしゃがんだ状態で頭を抱え、今の状況を再確認した。
立ってなんか居られない。
『崖』…、
実際には360度囲まれた崖とでも言いましょうか…。
見渡す限りの白い厚い雲が、
視界一面に広がる。
逃げ場なんて存在しなかった。
雲の上にいるなんて…、よ。
飛行機に乗った時くらいか、凄い高い山に登った時か…
……山。
これ、山…?
高くそびえ立つ岩山のてっぺんにいるんじゃないか…と私に予想させた。
出来れば…、
この予想は外れていて欲しい。
私はあまりカッコ良いとは言えない体勢で、崖の縁にそろりと膝を進めた。
どこか下りられる場所はないものか、下を覗き込む。
爽やかな強い風が、
澄み渡る空へ向けて…
私の髪をびゅうと吹き上げる。
…こわっ…!!
思わず、
目を閉じる。