記憶 ―惑星の黙示録―


正直…、
アランと二人きりって、
相当に不安だし。

私もハルカちゃんが一緒の方が心強いかも…。
コンちゃんは可愛いし。


「…そうしてあげたいのはやまやまだけど、リュウに怒られるって~…」

私の心を読んだのか、アランは不服そうに口を尖らせながらそう溜め息をつく。


ワンッ!
『どーせ、さ?怒られるんじゃんッ!?』

「そうだよ~、風の道切っちゃったし。リュウお兄ちゃんの名前勝手に名乗ったし。ねっ!?あたしも一緒に謝ってあげるから~!」

とハルカちゃんは無邪気に笑いながら、舟に乗り込んで来た。

コンちゃんもそれを追い掛けて、背中の翼を羽ばたかせる。


――…ギシッ

そう舟が傾いて。

重量オーバー!?
ヤバイ、沈むの!?

私はそう焦って、舟のふちに慌てて掴まる。
ちょっとだけ二人を誘った事に後悔したんだけど、不思議と舟は沈まないので安心した。


「……あぁ、もう。知らないからね~?」

アランは溜め息をもう一度ついて、首を横に振った。

なんかヤバイの?
アランが怒られるだけで済むんなら、いいんじゃない?

…なんて。
あ、心読まれるんだった。

今の言いぐさはヒドかった。
ごめん。


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