記憶 ―惑星の黙示録―
ゆったりと流れる河は、
青空の光を反射してキラキラと輝く。
音もなく進む舟の上で、それをボーッと眺めながら、私は少し考え込んでいた。
仮に、
仮によ…?
ここが私の夢の中じゃないんだとして…、この変てこな世界に私が迷い込んでいたとして、
…洗礼ってさ、
私は、
受けちゃマズイんじゃない?
元の世界に戻れなくなっちゃったり、…しない?
戻れなくても、
良いっちゃ良いけど。
良くもないでしょ。
仕事もあるし。
あの職場、私が居なくて大丈夫かしら?
月曜には朝イチで会議も入ってるし…
愛里のドレス選ぶ約束だってしたし、式だって…楽しみだし…
「…アラン、洗礼ってさ…。」
私がぽつりと話し出すと、アランはすでに私を見ていた。
多分、私が聞きたい事も言葉に出すより正確に分かっていたんだと思う。
真剣な顔をしていたから。
「…それは、俺も分からない。俺はただの『案内役』だからさ…。洗礼を受ける前に、リュウに聞いたらいいよ。」
「…そう。」
やっぱり納得のいく答えではなくて、私は首を傾げながら曇った顔。
『なぁなぁ!センレイって、何をするんだッ!?』