記憶 ―惑星の黙示録―
「あ、あたしもそれ知りた~い。何をするの?儀式?」
『なんか良い物、もらえるのかッ!?』
無邪気な二人は明るくそう聞いたけれど、私は真剣にアランを見ていた。
だって、他人事じゃない。
私がそうなるかもしれないわけだから。
「…貰える物?」
ははっとアランは笑って、ん~…と明るく楽しそうに考え込んだ。
洗礼は、ようこそって儀式で。
洗礼を受けた者は、
周囲の人の心が読めてしまう。
私が理解しているのは、アランが言っていたそれ位だ。
「…ん~貰える物、…あっ!『印』を貰えるね~?」
アランは考え込んでいた顔をパッと上げると、人差し指を立てて私たちにそう言った。
「「――…印!?」」
ハルカちゃんと私の声が揃ってアランに聞き返す。
『…シルシ、って何だ!?ウマイか?ハルカ。』
コンちゃんは食べ物だと思ったらしく、嬉しそうに黒い尻尾を振っていた。
「…もぉ、コン…」
「あはは…。食べ物じゃないよ、コンちゃん…」
『…違うの!?なんだよ、期待させんなよッ!超ガッカリ!』
私の言葉に尻尾もパタリと力を無くし、プイっとそっぽを向く。