記憶 ―惑星の黙示録―


だけど、
神様が助けてくれない事も知ってる。


頼みの綱は…、
居るか居ないか分からない神様なんかより、
ハルカちゃん。


でも…
私の期待とは裏腹に、
ハルカちゃんの背からは、

あの綺麗な七色の羽根は…
出なかった。



「…なんで!?ナオちゃん!魔法が使えない!」

「…えぇ!?」

『――…なんでよぉー!?』

3人集まって、これ。
慌てふためく以外出来ない。

アラン無しでは、
どうする事も出来ないんだ…

アラン…


この河…
普通の河かしら。
入っても大丈夫かしら。

泳いで渡れるのかしら…

触れられないアランを運ぶには、ハルカちゃんと二人で舟ごと押していくしか…

アランを見つめながら、私はそんな事を考え出していた。


「…はぁ…、ハルカは…この河からは、魔法は…使えないよ…」

「アラン!」
「お兄ちゃん!」

アランは変わらず頭を押さえ、眉間にシワを寄せたまま私たちを見ていた。


< 97 / 262 >

この作品をシェア

pagetop