記憶 ―惑星の黙示録―
だけど、
神様が助けてくれない事も知ってる。
頼みの綱は…、
居るか居ないか分からない神様なんかより、
ハルカちゃん。
でも…
私の期待とは裏腹に、
ハルカちゃんの背からは、
あの綺麗な七色の羽根は…
出なかった。
「…なんで!?ナオちゃん!魔法が使えない!」
「…えぇ!?」
『――…なんでよぉー!?』
3人集まって、これ。
慌てふためく以外出来ない。
アラン無しでは、
どうする事も出来ないんだ…
アラン…
この河…
普通の河かしら。
入っても大丈夫かしら。
泳いで渡れるのかしら…
触れられないアランを運ぶには、ハルカちゃんと二人で舟ごと押していくしか…
アランを見つめながら、私はそんな事を考え出していた。
「…はぁ…、ハルカは…この河からは、魔法は…使えないよ…」
「アラン!」
「お兄ちゃん!」
アランは変わらず頭を押さえ、眉間にシワを寄せたまま私たちを見ていた。