私と彼の関係〜本気の浮気〜
「片瀬さんのセーターもひどいことになってる」
同じように指をさされ、顔を見合わせて笑う。
コップを受け取ると隣の男子トイレに入って行く部長を確認してから、私は扉を開き由紀ちゃんの元へ行ってコップを差し出した。
大分落ち着いたのか水を一気に飲み干して、プハっと息を漏らした後
「・・・片瀬さん、すいません」
涙目のまま謝る由紀ちゃんに大丈夫だと背中をさする。
「ちょっとピッチが速かったみたいだね。めずらしいね、由紀ちゃんがここまで飲むなんて」
「・・・」
黙ったまま俯く由紀ちゃんに私も声を掛けることなく、ただ背中をさすっていた。