私と彼の関係〜本気の浮気〜



『お疲れ様です、佐々木です』



穏やかな声が耳に届いた。



「お、お疲れ様です」



そういえば新年会から声も聞いてなかったことに気付き、思わず言葉が詰まってしまった。



『まだ仕事中ですか?』



動揺する私とは対照的に、相変わらず穏やかな口調で紡がれる言葉にホッとしながら



「ちょうど留守番電話に切り替えようと思ってたところです。もう帰ります」



落ち着いてきた私は現状を素直に伝えた。



『そうですか。すいませんこんな時間に』



申し訳なさそうな声が受話器から聞こえる。



「いえ、もう電話に出ちゃいましたし。で、どうしたんですか?」


『××の○○さんから急に大量注文が入って、伝票の日付を確認したくて』






< 138 / 297 >

この作品をシェア

pagetop