私と彼の関係〜本気の浮気〜
『お疲れ様です、佐々木です』
穏やかな声が耳に届いた。
「お、お疲れ様です」
そういえば新年会から声も聞いてなかったことに気付き、思わず言葉が詰まってしまった。
『まだ仕事中ですか?』
動揺する私とは対照的に、相変わらず穏やかな口調で紡がれる言葉にホッとしながら
「ちょうど留守番電話に切り替えようと思ってたところです。もう帰ります」
落ち着いてきた私は現状を素直に伝えた。
『そうですか。すいませんこんな時間に』
申し訳なさそうな声が受話器から聞こえる。
「いえ、もう電話に出ちゃいましたし。で、どうしたんですか?」
『××の○○さんから急に大量注文が入って、伝票の日付を確認したくて』