私と彼の関係〜本気の浮気〜
佐々木さんの仕事内容を聞きながら、ロッカールームから出てきた後輩達に手を振る。
3人は「お先に失礼します」と小声で言いながら事務所を出て行った。
「じゃあ伝票は4月で処理していただいたら大丈夫です」
内容を聞いて指示を出すと、分かりましたと柔らかい声が耳元に残る。
『遅い時間にすいませんでした』
「あ、あの」
電話が切れてしまうと思ったら、思わず受話器を握りしめたまま、声を出していて
『はい?』
佐々木さんの少し驚いた口調に私はさっき以上に動揺する。
「いえ・・・すいません。何もありません」
無言の向こう側では、携帯を持ったままどこかの部屋に移動したのか扉の閉まる音が聞こえた。