勇者ゲーム


「………っていう感じ。
どう?」


目を爛々と輝かせた愛花がニコッと笑う。


「ふーん…。」


「勇者になるって、どういうこと?」


美緒が興味を持ったらしく、愛花に聞いた。


「んーとね、
多分、御利益がつくのかなぁ?
勇者になった人には、いい事ばっか起こるみたいだよ。」


いい事が起こる心霊ゲームなんて、あるもんなんだなぁ……。


「じゃあ、やってみっか?
今、俺ら暇じゃん。
しかもちょうど、5人いるし。」


雄真が面白半分にそんなことを言い出した。


「…やめたほうがいい。
そういうのって、ろくなことねーじゃん。」


すかさずオカルト嫌いの孝大が口を挟む。


「孝大はビビってるだけだろ。」


ニッと笑いながら雄真は言う。


そうすると何故か孝大もニッと笑う。


「…ま、やってもいいよ。」


……いいのかよ。


つくづく、孝大は雄真に甘い。
雄真も孝大に甘いけど…。


「愛花は勿論やるだろ?
美緒も、興味もってるし…。
…美羽、お前は?」


雄真があたしを見てそう聞く。


多少興味あるし…。
この空気は嫌とも言えないし…。


「……いいよ。」


軽い気持ちで、あたし達は勇者ゲームを始めた。



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