勇者ゲーム
「…どうして、あんたは、そんなに強いんだ。」
どうして、あたしを見向きやしない?
それは虚しすぎて言えなかった。
「……強くねー」
………寝てなかった。
あたしの独り言に返事が返ってきた。
「………じゃあ、何?」
「………強いて言うなら、罪悪感。」
……罪悪感?
相変わらず背中を向けたまんまの山城の表情はわからなかった。
「……山城、変。」
「……お前に言われたくねーよ。」
ははっと軽く笑っているけど、やっぱり表情は見えない。
「………山城。こっち見てよ…。」
「…………」
「…………好きだよ、山城……。」
「……………なんだよ、それ…。」
ゆっくりあたしの方を向いた山城は、今まで見たことないくらい、優しい目をしていた。