せんぱい
 


バンッ

勢いよく開けたドアの音に、クラスのみんなが振り返った。

「美咲、森本また遅刻か。
ドアは静かに開けろよ。」

担任の岡部がそう言い、SHRの続きをはじめた。

「まじ前原うぜぇ」

席についた瞬間、奈都が愚痴る。

「あんなのが学年主任とか、まじ厄介」

あたしの席は窓側で、後ろが奈都の席。

「お前ら朝っぱらから愚痴かよ。」

横からあたしと奈都の愚痴に口を挟む、和也。

和也はあたしの隣の席で、見た目と違って意外と勉強ができる、チャラ男。

「お前ら勉強もできないのに反抗するから悪いんだって。」

まあ確かに勉強のできる和也は髪が明るくても、あたし達ほど怒られたりしない。

ちょっと勉強できるからって説教が軽くなるのは納得できないけど。

なんだか腹の立ったあたしは、

「和也の勉強できます的な発言いらないから。
あたしより頭いいくらいで、調子乗るな!」

和也にあたった。

「あ、美咲今やっと俺より頭悪いの認めたな」

あーうるさい。

隣から聞こえてくる声は、すべて無視した。


 
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