せんぱい
「そういえばさー、」
数学の時間、机に突っ伏して寝かけてると、和也が話しかけてきた。
「ん?なんか言った?」
だるくて体が起き上がらない。
「部活入らねーの?」
‥部活?
めんどくせー。
そんなもん、やってられるか。
そう答えようとしたら、
「やるわけないじゃん。
あたしも彩乃も帰宅部!」
後ろで奈都が答えてくれた。
さすが奈都。
わかってるじゃん♪
中学のときも部活とは無縁の生活を送ってたし、部活なんか入るわけない。
いっつも奈都の家で宅飲みするのが日課。
奈都の家は、自分の家より落ち着くから好きなんだ。
「帰宅部かよ。
つまんねーの」
拗ねた和也の声が聞こえた。
「和也、部活やんの?」
重たい頭を動かして、顔だけ和也の方を向いた。
あたしの問いに、
「俺サッカー部入るから、俺の専属マネージャーやってくれてもいいよ」
この調子に乗った発言。
もちろんこの発言には、あたしも奈都もシカトで。
あたしはまた突っ伏して寝る体制に入った。
そんなことばっか言ってるから、チャラく見えるんだって。
「おい、シカトか?」
その言葉に、また奈都とシカトした。