伝説の女[完]
いつもなら何も言わないのに。


それにさっきまで怒鳴っていたのに、なぜだか俺は。


「別になんでもーねーから帰れ」


俺なりに優しい口調だ。



普通の女なら調子にのって、喋りだすかなんかかと思った。



でも女は違った。
女は普通にふわっと笑い優しく言った。


「じゃあ、傘あげるね?さようなら。」



そう言って自分は雨の中帰ろうとしたから。


俺はつい・・・



「傘ねえーならいいって自分で使えって」



女の腕を掴んで言った。


いつもならこんな事しないのに、何故だかしていた自分がいた。

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