カウント10
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な、に
なんだか、目眩がする
喉がかわいて、うまく声がでない
「果歩、返事は?」
そんなの、答えは決まってる
私は、答えの代わりに
身を乗り出して、省吾を抱き締めた
「省吾、私...」
喋りたいのに、涙が溢れて止まらない
泣きじゃくる私を、省吾は優しく包み込む
「なに?」
「私、省吾を離さない
離したくもない」
「うん」
「だから....」
「果歩、」
「省吾!私と」
「結婚しよう」
夕日が沈み、空が濃い青に変わる時
私の人生が変わった
これが私の
幸せへのカウント10
fin.