あなたとの恋をもう一度
村瀬が風音に近づいていく。

それも親しげに、村瀬は名前を呼んでいる。

「武人も見回りご苦労様」

驚いたことに村瀬と同じ様に風音も村瀬を下の名前で呼んだ。

「風邪引くぞ。帰ろう」

「うん」

「蓮、あいつのことはもう諦めろ。あいつはオレらみたいに昔のことなんざ覚えてねぇよ」

「そうみたいだね。武人も覚えてたからもしかしてって思ったけど、違うみたいだ」

風音の顔が泣きそうに見えたが笑っている。

「いきなり前世なんて話したって信じられるやつなんていねぇよ」

「うん。でもねそれだけで好きになったんじゃないんだけどね」

風音が帯から小さな何かを取り出した。ストラップのような何かを。

「これを落としちゃって、見つけてくれた時、運命だって思ったんだ。昔、これをくれた場所でまた見つけてくれた」
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