あなたとの恋をもう一度
「何か用?」

「これ落ちてたから」

トンボ玉を風音の前に出した。

それをちらりとだけ見ただけで風音はいらないとだけ言った。

「それは捨てたの。何拾ってんの?」

「でも」

「欲しいならあげる」

何かを話さないといけないと言葉を探すが見つからない。

「風音さんお待たせ」

小野が向こうから走ってきた。

「大丈夫、夏川くんで暇つぶししてた」

「そっか。行こうか?映画始まるよ」

「じゃあね夏川くん」

小野と行ってしまう風音の手をつかもうと手を伸ばすが、空をきるだけだ。

そしてオレは一人取り残された。
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