あなたとの恋をもう一度
帰る途中、風音のクラスの前を通った。

ポニーテールに髪を上げているが、何度もうまくいかずに結いなおしているところを見た。

「貸して、風音さんやってあげる」

クラスの女子が遠慮げに櫛を持って尋ねると、風音の顔が変わった。

「ほんと?ありがとう」

「ポニーテールで良い?」

「涼しい感じにしてもらえるならなんでも良い」

「じゃあみつあみにするね」

「うん」

風音はされるがまま目を閉じていた。

「綺麗な髪、これをポニーテールにするのは難しいよ」

「そうなんだ」

器用な手つきで結われた髪は、風音によく似合っていた。

「はい。出来た」

「ありがとう。夏休み終わったら、教えて、みつあみ」

「うん」

「じゃあ、さよなら」
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