あなたとの恋をもう一度
「だからもう良い。そんなのもういらないの。捨ててそれ」

風音はそれだけ言うと出入口に向かう。

「君は前世で、約束を守ってくれたことはなかった。最期の最後まで。だからもう何も望まないよ」

そう言って出て行った。


また夢を見た。

綺麗な風音の前世の姿、蓮。オレたちは何度も愛しあった。

蓮は幸せそうに笑っていた。でも何度か約束を守れない時もあった。そんな時、眉を八の字にして「仕方ないね」と言ってくれた。オレはそれに甘えていた。

守れない約束を何度も繰り返したあげく、オレは彼女を捨てた。

一緒になろう。と何度も言っていたのに、結局、縁談を受けるために蓮と別れることになった。
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