あなたとの恋をもう一度
「どうした?母ちゃんとはぐれたか?わたあめ食うか?」

「風音…」

風音が子供を抱き上げてあやしていた。

そばにあるわたあめの屋台でわたあめを買うと、こどもに渡した。

「母ちゃんみつかるまで、一緒にいてやるから泣くな」

風音の腕の中で子供は涙を拭きながら頷いていた。

「やきそば食うか?姉ちゃん腹減った。はんぶんこしよ」

風音がこっちを向いた。

オレと目が合った気がしたが、オレの存在などないかの様に素通りされた。

「優しい人がいるのね。良かった」

彩乃は良かったと安心した顔をしていたが

内心は穏やかではなかった。

彩乃が優しいと言った女に自分は消えろと言ってしまったんだから。
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