ヒビのイキガイ
公園に着いた。
この公園は、けっこう広い公園で
休日になると子供たちがキャッチボールをしたりしている。
平日は、学校帰りの高校生なんかがいたりする。

ベンチにクイックイッさせていた腰を下ろして
久しぶりに軽い運動をした達成感を乗せて
息をフーッと吐いた。
その息に、触発されたように強い風が吹いた。

「キャッ!」
「大丈夫?」

右側から、若い女性の声2つが飛び込んできた。
声がした方をチラッと見ると
思った通り女子高生2人組だ。

どうやら、風で舞い上がった砂が片方の子の目に入ったらしく、目を擦っている。
もう片方は心配そうに見ている。

おれの人差し指の先から目薬が出たら
すぐにでも彼女の目から砂を排除できるのになぁ
なんて思っているうちに 前を通りすぎていった。

その時、なぜか
頭の中に、この子らの後をつけろ
という選択肢しか産まれなかった。

目薬がでない人差し指で鼻をほじってから
後をつけ始めた。
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