最期の記憶【短編】
わからない…
わからないことが悔しい。
「ねぇ…私に…他に友達は?」
「いっぱい…いたよ」
――『いたよ』?なんで…過去形なの?
――不自然
そう感じた。
「成海…なんでそんな悲しそうなの?」
「沙羅早が…いないから」
え?
私はここに…いるよ?
「違う…そういう意味じゃなくて…」
「じゃなくて?」
「俺の知ってる沙羅早が…いない」
成海のしってる私―…
そんなのっ
「わかってるさ!沙羅早自体に自分がいないんだから!!」
「うん……」
「沙羅早…ごめん…怒鳴ったりして」
「大丈夫!気にしないから!!」
「そう…こんな感じ」
こんな、感じ?
私が?
「なぁ、自己紹介してみてよ」