最期の記憶【短編】
「沙羅早!顔色悪いぞ!?」
あぁ私…成海が好きだったんだな。
好きで好きで…たまらなかったんだろうな…。
「後悔…したくないの」
「何言って…」
「怖いから…」
「ちょっ…おいっ!!」
「記憶…イラナイ」
「沙羅早!!」
はっ…
私、今―…。
「なんだよ…」
抱き寄せられる。
あれ?おかしい…
「体温…感じないよ?成海……」
冷たくもない。熱くもない。
無だ。
「なんで震えてるの?寒いの?」
それとも…
「泣いてるの?」
「なんでっ……」
成海?様子…変。
「なんで出てくんだよ!バカ野郎!!」
「バっ…!」
「お気楽っ…」
お気楽…ですって!?