一方通行の恋
知ってしまった

「麻依。やばいんだけど」
「いや万由、顔が怖い」

あたしは追い詰められていた。


「うちの班のトコすんごいむずかしい!!」


そうなのです。

忠伸のあんな軽い一言で決まったあたしたちの発表する企業の章が異様にむずかし過ぎたのです。

「万由の班って明日集まるんでしょ?」
「そうだけど~!!!全然読めてないの!」


国際戦略に焦点をあてている内容だったから、レベルが高すぎてあたしの頭のキャパを優に超えていた。


あのテーマ決めの日から2週間ほど経って読み始めたあたしも悪いんだけど、でも!!!


むずかし過ぎるよ~





うちのゼミは火曜で今日は最初の班、2班の発表日


私、並木万由子の所属する班は4班で、発表順はちょうど真ん中の3番目だった。

あたしたち経営学部の学生はたいがい水曜日が休み。


そう、単純に講義が少ないだけ。

だから水曜に集まってパワーポイントをまとめることになった。


やばいよ~

2人とも読んでるかなぁ~







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