サクラミチ。
「たーちゃん…おかえり。」

太陽はまた驚いてうつむいた。

「…ごめん」

太陽はうつむいたままこぶしを握り締めながら言った。

「ずっと守ってそばにいるって言ったのに…」

あんなにクルーな太陽が震えながら話している。
一つ一つの言葉をかみしめるように…

「中学、つらかったんだろ。」
「!!」

中学。思い出すだけで苦しくつらくなる。
鈴夏は、小さいころから目立たない子だった。
でも、太陽がそばにいたから楽しかったのだ。
からかってくる男の子も陰でこそこそとささやく女の子も、
太陽がいれば気にしなかった。
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