サクラミチ。
太陽が助けてくれた。守ってくれた。あの時は…
小学5年生の秋。太陽は親の仕事の都合でアメリカに行った。
守ってくれる、毎日の幸せを与えてくれる存在が消えた・・・ 
それからの毎日はますます暗くて辛くて。
一人で…
周りの声も大きく聞こえて、影も大きく見えて。自分は小さくて。
怖くて怖くてたまらなかった。


 顔が暗くなった鈴夏をみて、太陽がいう。

「ごめん、ごめん・・・ほんとに。守ってやれなくて、約束破って…」

今にも泣きそうな顔で何度も何度も謝る太陽。
< 46 / 50 >

この作品をシェア

pagetop