サクラミチ。
「ちがうよ、たーちゃんのせいじゃない!!そんなに謝らないで!!」
「ちがうくない。俺のせいで5年も苦しんだんだろ!!」

「ちがう!たーちゃんがいなくなったのは悲しかった。
でも、こうなったのは私が悪いんだよ。
私が弱いから何もできなかったの!
何をされても何を言われても私は言い返せなくて。 
だから、たーちゃんは悪くない。」

太陽はこんなに主張する鈴夏を見て驚いた。
あんな静かで控えめな子はこんなにも声を張り上げて…

「ありがと、鈴夏。でもさ、自分が許せないんだ、俺。
なんで、一人だけでもここに残んなかったのだろうってさ。」

「もういいの。過去がどんなに苦しかったとしても、今がたのしいから。
ものすごくたのしいの。
日向くんに出会えて、愛奈ちゃんと友達になれて、たーちゃんが戻ってきて。
一緒に過ごせて。
今までこんなことなかったから。ありがとう、たーちゃん。おかえり。」
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