─Quality of love─


マイペースに階段をおりてリビングにむかうと、父も午後出勤だったらしく厳格な顔つきで新聞片手にコーヒーを飲んでいた。

父が俺の顔を見て意外そうな顔をした。

「潤、帰ってたのか。てっきりどこかに泊まっているんだと思ってたよ」

「うん。まぁね。帰ってきたの朝だけど」

そういいながら冷蔵庫をあける。

基本的にお互い外食か誰かに食わせてもらうという食生活なので中はスカスカで、必要最低限のものしかはいっていない。

俺は牛乳をとりだしてコップに入れずそのまま飲んだ。

「昨日、彼女がきてたんだ。顔、あわさなかったか?」

「来てたのは知ってるよ」

そう言って冷蔵庫をガシャンと閉めた。

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