─Quality of love─


「お帰りなさい。潤くん」

リビングのドアをあけると、莉香の母親……真由子さんは笑顔で迎えてくれた。

「こんばんはっす」


予想通りテーブルには豪勢な食事がところ狭しと並んでいる。

俺は席に座り、レタスを丁寧に洗う真由子さんの背中を眺めた。

薄く繊細な後ろ姿が水槽を見つめる莉香の背中と重なる。



「さぁ、サラダができたわ。あとは祐一さんが帰ってくるだけね」

みずみずしいサラダを真っ白な皿に盛りつけてテーブルの上に置いた真由子さんの顔は楽しそうだ。

< 125 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop