─Quality of love─
「いずれ正式に紹介することになると思う。そのときは…うまくやってくれよ」
親父は席からたちあがって、コーヒーカップを洗い場に置いたあと俺の肩を二回トントンと叩いて出ていった。
俺はさっきまで親父が座っていた席をぼんやりした視界で見つめていた。
なんとかこのハッキリしない意識から解放されたくて、風呂場にむかい少し冷ためのシャワーを身体にぶっかけた。
シャワーから飛び出す水は刺さるように俺の全身をつたっていく。
脳と身体に刺激が注入されるのを肌で感じた。
だんだん明確になっていく意識。
少し、スッキリした。