─Quality of love─


俺は地元の駅に着いたとたん誰よりも早く電車を飛び降りて、一心不乱で走った。

力一杯拳を振り、髪を振り乱して歯を食いしばりながら。


ものすごいスピードで周りの景色が流れていく。



家について靴を脱ぎ捨てたらいち早くリビングの扉をあけた。



「真由子さん!」



キッチンにいた真由子さんが驚いた顔で振り向いた。

「あら、お帰りなさい。どうしたの?そんなに慌てて」

真由子さんは穏やかな笑顔で水道をとめた。



< 145 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop