─Quality of love─
ゆっくり唇を放す凪の顔は憂いをおびている。
過去とはいえ、一度付き合っていた相手だ。
ぶっちゃけ顔は今でも好み。
「………ねぇ再会を祝おうよ」
かすれた声で囁かれた言葉に俺の理性はぶっとんで性欲だけが脳内を掻き乱す。
それからは言うまでもなく近場のホテルに直行。
だけどホテルに入る直前にまた、いた。
純白のコートを着た少女が。
少し離れたところから突き刺すように俺をみている。
性欲に犯された脳でみた彼女はぼんやりしていて、幻影のような気がするけど。
そこからはもう覚えてない。
凪の美しい肢体だけがうっすらと脳裏に焼き付いているだけ。