─Quality of love─
ふらつく足取りで階段を降りると、妙に明るい笑い声がリビングから聞こえてくる。




機嫌のいい親父と、甲高い女の声。


「あっ潤、起きてきたか。せっかくだからお前も食べなさい。手料理を作ってくれたんだ」

テーブルの上に並べられた、豪勢な料理たち。
きっと彩りも気を使って作ったのだろう。
明らかに料理上手をアピールしてる女の手口だ。

それを前に嬉しそうに笑う親父と
照れたようにはにかむ見知らぬ女。

主婦には見えない派手な風貌をした彼女は年を感じさせないほど美人だが、きつい香水の匂いが鼻をつく。


「じゃあ、いただきます」

にっこり笑う俺の顔。
愛想笑いは得意分野だ。

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