─Quality of love─
電車の乗客は少なく、俺はすんなりと座席にすわることができた。
車両には、30代くらいの生真面目そうなサラリーマンとすっぴんで気だるそうな顔をしているギャルと俺だけ。
電車の揺れに身を任せながら車窓から流れていく風景をぼーっと眺める。
ネオンの消えたビルや高層マンションがゆっくりと離れていく。
徐々にバカでかい建物の数が減っていき、ごく普通の民家がポツポツと建っている風景にかわっていく。
電車がゆっくり止まって俺は席をたった。