─Quality of love─
ある程度の深さになった穴に、黒猫をそっと埋めた。

そしてゆっくり土をかぶせていく。


土で黒猫の姿がみえなくなっていくのを見つめていると

黒猫が牙を突きつけながら
もうない眼から涙をぽろぽろ、ぽろぽろ、とこぼしているような気がした。


俺は喉が熱くなり自然と力がゆっくりと抜けていくのがわかった。


小さかった頃、母親に怒られたあとの心情のような、そんな気持ちになった。

切なくて
苦しくて
情けなくなった。
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