─Quality of love─

黒猫が埋まっている土を少女は何度も何度も撫でた。
俺はその細い指の行方を眼でおった。


「……でも、もう遅いよね…」


少女の声がぽつりと降ってきたので、俺は思わず顔を上げた。

「どういう意味?」

「生きている間は放っていたのに、死んだあとになってその存在に気づくなんて、あんまりだよ」



彼女の小さく細い声が雨と一緒に俺のこころに降り注いだ。


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