─Quality of love─
8,paranoia
朝、目が覚めるとぼやけた視界にうつる見知らぬ部屋に驚いた。
「おはよー」
目を大きくしてあたりを見回す俺は、莉香の声で脳が起きた。
そうだ、昨日の夜に莉香の部屋にとまったんだったっけ。
その莉香はというと花に水をあげている。
花びらは枯れて茶色になり、頭を重たそうに下に向けて、萎びている…そんな花。
そんなことに何の意味があるのか、ということを俺はあえて言わなかった。
意味なんてない。
彼女のなか以外には。