君を、ネクタイで縛りたい。
セクション1
「ねぇ―ゆさぁ」
甘ったるい女の子の声が耳にはいる。
「おきてよぉあそぼぉ―」
今度は別の女の子の声。
二人の女の子は机を囲んでその席の人物に喋りかけている。
その机の主がねているのをいいことに、腕を触ってゆらしている。
もう一人は髪の毛をさわりはじめた。
…は、はやく起きてよ…
視界の隅でおきているこの二人の行動を見ながら、心で願った。
「…ふぁあ」
間抜けなあくびが聞こえてきて、目線をこっそりと、そっちにむけた。
「あっ、遊佐やっとおきたぁ」
髪の毛を触ってた女の子が髪の毛から手を放していった。
「ん―…」
まだ寝ぼけているのかうなるような声しか上げない。