気付いたら好き
美優は教科書を持って
振り上げ机を叩いた

さすがにこれには
みんなびっくりだよな(笑)

響もびっくり
してるだろうと思ったのに
響は笑ってる

なんでだ??

普段の美優からは
想像できないから
普通は驚くだろ!!

オレは付き合ってたときに
美優を一度だけ
怒らしてしまったから
こういう面があることは
知ってたけど…

響は笑いながら
美優の耳元近くで
何かを囁いた


美優は少し
拗ねたような顔で
響に言い返していた

響は美優の何を
知ってたんだ??

中学は違うはずだし
高校でも委員に
なってからしか
喋ってないはず

怒らしたことは
喋ってないし……

なんか気になる!!

美優は気を取り直したように
クラスのみんなに
説明をしだした

「佐久間とわたしは
確かに委員やってから
仲良くなってるし
そういうふうに思われるのも
しょうがないと思ってる。
けど、わたしたちは
付き合ってないよ。
仲の良い友達!!」


周りのやつらは

え〜!!とか
つまんないの〜
とかいろいろ言ってた


オレは教室に入りにくいから
屋上に行って
5限目はサボろうと考えた

響も誘うか迷って
声だけかけようと
思って響のほうを見た

オレは見たことを後悔した…

響と美優は
楽しそうに笑っていたし
それに美優の
あんな安心している笑顔を
見たのは初めてだった

オレといたときには
あんな顔して
くれなかったのに……

美優も響が
気になり始めたのか
もう好きなのか
どっちかだろう

オレは人の恋愛事に
関する勘は外れたことが
なかったけど
このときは
外れてほしいと思った

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