Alice Doll
家の鍵は猫に盗られてそのままだし、人形館に行ったストレスか、変な夢まで見るし。
嫌なことは続くなぁ。
「明後日、ね……」
由衣は何度目か知れないため息をもう一度着くと、浴室から出ることにした。
湿った髪をまとめ、携帯を開く。画面にはメールの受信を知らせるマークがついていた。
誰だろう、と思いながら開くと莉緒から遊びの誘いのメールだった。
昨日、学校でその話をしてくれていれば……! と由衣は眉間にしわを寄せる。
「えーっと、何て返そうかな……。ま、用事があるから無理、くらいで良いかな」
優芽だと、何の? と突っ込んでくるだろうが、莉緒ならそれもないはず。
彼氏か? とかなら返信してきそうだけど。