妹系男子。



リン「…そんなっ…似てないですよ」


「女っぽいって訳じゃないんです」
「雰囲気だけが」
「似てるのよねー」



ヤバい気がする


今まで一年間は隠して来れたのに


文化祭をするにあたって

中さんにバレちゃうし
こんな風に勘付かれちゃうし



このまま全校生徒にバレたりしないよね



秘密ばかりの生活は正直辛い
仲良しの友達に秘密を作るなんて
気まずいし、申し訳ないし

でも仕方ない
割り切ってきた


なのにこんなとこで
簡単にバレる訳にはいかない



――その時だった



バンッ!!

誰かが黒いテーブルクロスを叩いた



「もう時間ですけど」


リン「イチ…?!」

顔を上げるとイチがいた



「……あー、すいません」
「…………ウザ」
「……帰ろっか」


女子客は素直に立ち上がった



「バイバイ、麟太郎君」
「これからも応援しますね」
「彼女作っちゃ駄目だよ」


そしてイチを睨んでから笑顔を見せ、速やかに教室を去って行った



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