妹系男子。
サン
聞こえてきたのは耳に馴染んだ曲
前奏だって何回も聞いたことのあるものだった
人影が舞台袖からステージ中央に走って来る
短い髪が揺れた
「こんにちはー☆鈴木鈴でぇーっす!!」
………
………
………
リン「え゙ーっ!!!」
………
「キャーッ!!!」
アイドルの登場に黄色い歓声がそこら中で上がる
誰もここまで期待していなかった
だが期待は裏切らなかった
いつもそう
………
イチ「…おぉ、来た…鈴ちゃん来たー!!」
ヨシ「お前強ぇな」
イチ「自分でも驚いた」
………
俺が頑張って築いたもの
全部一瞬で持って行ってしまう
全部
一瞬で
鈴がいれば俺は霞む
霞んで霞んで見えなくなる
だってもう
誰の瞳にも俺は写ってないから