妹系男子。
頭にあるカツラと赤のリボン
このことに関しても
色々と話し合った
全てに時間と苦労を掛けた
どれも思い出が沢山込もっている
中さんの笑顔が思い浮かんだ
あの人には何故か嘘が吐けなくて
吐きたくなくて
結局、秘密はバレてしまう訳で
他の女子とは明らかに違う存在になっていた
だって他の女子には
『可愛いもの大好き』
だなんてとても言えない
今考えても何で言えたのか
軽い謎だ
しばらく物思いに耽っていると
マイクの電源が入る音がした
ヨシ「いよいよだな」
教頭が朝礼台に登った
「えー、只今より閉会式を開会します」
これが終わりの始まり
意外に儚い
それから生徒会長の挨拶や
教務主任の話、来賓の好評
色々と聞き流していった
――そしてようやく
「続いては、文化祭特別賞の発表です」
この文化祭のイベントのほとんどの司会を務めた、あの男が壇上に上がった