妹系男子。
その声を聞かせてよ。
イチ
*
――また朝が来た
自分の部屋のカーテンだけ閉め忘れ
入り込んだ朝日が目に染みる
起き上がって一番に目にしたのは、机の上の封筒
写真が入っている
進さんがくれた物だというのと同時に、昨日のゴタゴタを思い出した
結局、昨日も早く寝た
鈴も多分怒ってなかったし
進さんの謝罪が効いたかな??
「明日の準備するから出てって!」
なんて叫ばれたのは新鮮だった
部屋を出て階段を下りてリビングに入った
テーブルには二枚の紙
一枚は鈴の置き手紙
『先に学校行くね』
とだけ書いてある
もう一枚は昨日見た父親からのもの
鈴に言うの忘れてた
鈴、読んだよね
どう思ったかな
悲しくなったよね
リン「言っとけば良かったなー」
空に呟く
勿論返事は返って来ない