妹系男子。



パステルな静寂を奪う七色のノイズ



『……好きな子って誰??……』



――好きな子――



リン「……リボン…ちゃん??」


リボンちゃんは大好きです



『……人間の女子……』


人間の女子で好きな子??

何故それを聞くのか
最近そればっかり聞かれてる気がする



リン「…いない」

小さく言った

何で少しみじめな気分になるのかな



『……嘘だね……』


リボンちゃんはその声が聞こえると

まるで今までの姿が映像であったかの様に
縦に横に揺れ、途切れ始めた



……嘘??
俺のことは俺が一番解っている


……筈



リン「違っ…」



『……お前、鈍そうだもんな……』



俺の発言を遮って今度は大音量のノイズ

そのあまりの大きさに耳をふさぐと

変な頭痛と吐き気に襲われた



足元から綿菓子に崩れる

もうろうとする意識の中
やっと頭を上げたが



そこにはもう
リボンちゃんの姿はなかった



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