妹系男子。
過去と向き合うことは。
イチ
*
教室の外からも聞こえる声
盛り上がっていた
………
俺は忘れていなかった
……ユカの声
確かに集団の中に聞こえた
イチ「麟太郎、開けるか??」
リン「……うん」
イチが扉を開けた
「おい、市川も来たぜー」
「お前も転校生見に来たのか??」
イチ「ま、そんなとこー。鈴ちゃんは??」
「鈴ちゃんは仕事に抜けたよ」
「そういえばお前ファンだっけ」
「弟も来てんじゃーん」
イチって人気者
イチが話してる隙間から
俺は教室を覗き込んだ
鈴は仕事に行ったのか
ヨシ「いるか??」
リン「…んー」
見回すけど知らない顔ばかり
「鈴木君??」
リン「うぉっ!」
後ろから名前を呼ばれて驚いた
リン「…林さんか」
林さんだった
アキ「どうかした??鈴ならいないよ」
リン「鈴に会いに来たんじゃないんだ」
――その時だった